社員の間で大きな不満となっていたのがトイレ環境(男女共用と老朽化、寒さ)だった。弊社提案では、トイレを男女別にするため、男性用トイレ入口をエントランス外に設け、さらにトイレの音漏れを遮るため執務室との間に清掃用具スペースを設けた(同時に遮音シートを設置)。またトイレの外壁、天井に断熱材を充填することで悩みの種であった寒さを解消した。さらに収納スペースを設けたことでこれまで雑然と置かれていた掃除用具を整然と収容できるようになった。

施工前のトイレ。男女共用トイレは社員に不評だった。

新たに設けた男性トイレの入り口。

 こちらは女性トイレの入り口

給湯室については、相談時までガス瞬間湯沸かし器が設置されていたが、換気に不安があり、一酸化炭素中毒の懸念もあった。また収納棚の使い勝手が悪く改善したいとの希望が寄せられた。給湯室を全面改修するとともにシステムキッチンを導入、また、ガス湯沸かし器を使用せずキッチン下に電気温水器を設置した。

こちらは施工前の給湯室。収納スペースが十分でなく、物が散乱している印象。

トイレ内に設置された洗面化粧台。シャワーヘッド付き。清潔感があり、トイレの印象が大きく改善された。

こちらは改修前の洗面台。

音の伝播に関する相談があった。従来、会議室、給湯室、トイレの排気ダクトが1ルートみのであることから、ダクトを通じて各室の音が他室に伝播していた。特にトイレの排泄音、水洗音は問題が大きく改善が要望された。新たな提案では、音の伝播を防ぐダクトルートを設計するとともに、各スペースの隔壁に遮音シートを設置した。施工後は遮音効果についてのデータも収集し、実効性を確認した。

写真は吸音材(遮音シート)の設置状態。